インサイドレポート2011
2011.08.08
石川 遼「日本での優勝争いの経験が役に立った」
3日目を終えて首位に1打差の2位タイからスタートした石川遼。序盤から2連続バーディを奪うなど、アダム・スコット以上に勢いに乗って首位に並んでいたことも何度かありましたが、アダムが12番でチップインバーディを決め、その後2つバーディを重ねた一方、遼くんは2つのボギーを叩き、明暗を分けました。
2人のプレーはまるでマッチプレーのようなシーソーゲーム。世界で18勝を挙げるアダム・スコットを相手に互角に渡り合い、とても19歳の少年がメジャー級のフィールドで優勝争いをしているとは思えないほどの落ち着きぶりでした。遼くん自身も「今日の方が落ち着いて出来た。自分でもびっくりするくらい。アダムやスティーブとも会話しながら、リラックスしてプレーできた。曲げても冷静だし、いい集中力でプレーできている」と語っているほど、堂々としていましたね。これも日本で何度も優勝争いをしてきた経験が役に立っているそうで、「中嶋(常幸)さんの言うように、日本でやっていても海外で世界のトッププロと戦っていける。正直いって、この大会が始まる前は日本と海外の差は大きいと思っていたが、実際にはそこまで差はない、と思えるようになった。次は優勝することで、日本の力をアピールしたい」とのこと。
今週は、スイングを変えたことがきっかけで「練習場にいるような気持ちでコースでも打とう」と思い立った作戦が奏功。今日は「狭い練習場だな」「傾斜のある練習場だ」などと思いながらショットしたそうです。そして、優勝争いのカギになるホールはどこなのかの判断も付くようになりました。
「今日は14番と15番の2ホールがカギになると思ってやっていた。1打の価値を日本にいるとき以上に感じたし、日本だけでは経験できない優勝争いの雰囲気をつかむことができた。楽しみながらプレーしていたけど、やっぱり悔しい気持ちでいっぱい」
通算12アンダー、首位に5打差の4位タイに終わった遼くん、来週の全米プロの予選ラウンドでは、再びアダム・スコットと同組でラウンドしますが、リラックスモードの中で実力を出し切り、再び優勝争いに食い込んで欲しいですね。
初日から首位をキープし、通算17アンダーの2位リッキー・ファウラー、ルーク・ドナルドと4打差で優勝したアダム・スコット。米ツアー8勝、世界で19勝目を挙げました。過去、プレーヤーズ選手権(04年)、ツアー選手権(06年) など準メジャー級のビッグトーナメントで優勝を重ねてきたアダムですが、今回の優勝が「Biggest Win」であることは間違いありません。そして、その優勝には元タイガーのキャディでキャディ歴33年のキャリアを持つスティーブ・ウィリアムズの力とエネルギーが不可欠だったと言えるでしょう。
最終日のラウンド前、練習場でアダムのショットを見てスティーブは「今日は我々の日だ」と思ったとか。ジェイソン・デイも後で「練習場にいるアダムを見たが、彼は自信に満ちあふれていた」と語っています。スティーブがアダムのバッグを担ぎ始めたのが今年の全米オープン。そこから3週間(全米オープン、AT&Tナショナル、全英オープン)で彼の弱点を見抜き、コーチのブラッド・マロン(アダムの義兄)と3人で、その改良点を取り組んできたそうです。そしてその効果が早々に現れ、ブリヂストンインビテーショナルという最強フィールドでの試合で選手の優勝を導くことができた。スティーブにとって、この優勝は通算145勝目(グレッグ・ノーマン、レイ・フロイド、タイガー・ウッズなど)。そして今週アダムとともに挙げられたこの勝利が「最も満足した優勝」「人生で最もすばらしい1週間だった」と語っています。その証拠に、今までタイガーがメジャーで優勝したとしても、決して自分の気持ちを語ることをしなかったスティーブが、今日は報道陣に対して自由に自分の思うことをいい、喜びを表現。18番のグリーン上でインタビューされ、「人生で最高の勝利だった」とまで語っているんですから、よっぽどうれしかったのでしょう。最終組でアダムと一緒にラウンドした石川遼のコメントによれば「今日、スティーブとラウンド中に話をした。アダムはタイガーとは全然違う。タイガーはドラマが多すぎた」と話していたそうですが、最終日、最終組でタイガーとともに戦っていたスティーブではあり得ない会話がアダムと一緒にいることで可能になっている。恐らく、タイガーのキャディをしていたときの自分は、本来の自分ではなかったのかもしれません。つまり、人とのコミュニケーションを極限られた人としかしないタイガーに合わせるように、スティーブにも人との間に大きなカベがあった。ツアーキャディとの間でも、どこか孤立したようなところがあったし、タイガー1人に忠誠心を尽くしていればそれでいい、といった雰囲気も見受けられました。しかし、アダムはタイガーのような人との間にバリアを張るようなタイプではなく、もっと普通にコミュニケーションの取れる心優しいイージーガイ。そんな彼と時間を過ごしているうちに、スティーブの気持ちも氷解し、普通の人間らしさを取り戻せたのではないか。あるいはこの2年間、タイガーのスキャンダルの件で家族とともに非常にタフな時間を過ごし、「これも運命なのか」と半ばその状況を諦めていた彼が、タイガーからクビを言い渡され、逆に心の整理がついた。その開放感もあって、今回の優勝が今までにないほどうれしかったのではないか、と推察できます。
「ボクはキャディという仕事が大好きだ。たぶんタイガーのキャディをやっていたときは、メディアの人間に対して感じが悪かったこともあったと思うけど、今では皆さんが大事な人たちだということもはっきりわかっている。タイガーとのことをもっと正確に話すなら、AT&Tナショナルで面と向かって話をしたというのは間違いだ。彼は電話で”我々には休みが必要だ”と言ったんだよ。つまりクビってこと。ボクはタイガーに「(タイガーが試合に出ない間)アダムのキャディをやってもいいか?」と聞いたら、彼は反対した。それでもう彼は、自分との関係も潮時だと思ったんだろう。ボクは彼のキャディを11年間やってきたし、彼に対してはかなり忠誠心を誓ってきた。それなのにこんなに早くクビにされちゃうなんて……。本当にガッカリしたよ」
スティーブがここまで口を開くことは、過去なかったのではないかと思いますが、彼にとってタイガー復帰の今大会で自分がバッグを担ぐアダムが優勝することほどうれしいことはなかったでしょう。「タイガー、お前の数々の優勝はオレの力の賜でもある。長年忠誠心を誓ってきた自分をあっさりクビにして、後悔するなよ」というスティーブの意地が、アダムにいい意味でのプレッシャーを与え、優勝への大きなパワーを生み出したのではないか、と思うのです。
プレーヤーズ選手権以来の復帰戦に、過去7回の優勝を経験している非常に相性のいい今大会を選んだタイガー・ウッズでしたが、4日間のプレーを終えて通算1オーバーの37位タイ。精彩を欠く結果に終わりました。
現在コーチのショーン・フォーリーに師事してスイング改造に取り組んでいるところですが、前コーチ、ハンク・ヘイニーの教えからの移行がなかなかうまくいかない様子。本人曰く「以前はもっと曲げて打っていたものだが、今はボールを右に曲げることも左にドローさせることもあまりできない。ショーンが教える正しいスイングをすると、ボールが曲がらないんだ」と、球筋に違和感を感じ、それに伴い構え方についても悩んでいるそうです。もともと球を自由自在に曲げて、七色の球筋を打ち分けながら攻めていたのが彼のゴルフでしたが、球自体が曲がらないスイングに移行しているため、今は元々持っていた「球を曲げて攻めたい」という感覚と戦っているとのこと。もともと繊細な感覚を駆使して、様々な技術で球筋を打ち分けるタイプだっただけに、こんな話を聞くと「ショーン・フォーリーの教えで大丈夫なのか?」と心配になってしまいますね。
初日から最後まで、パットの不調に喘いだ池田勇太。最終ラウンドは1バーディ、5ボギーの74、通算17オーバーの75位でホールアウトしました。
「あとはパッティングだけ! あとは悪いところを見つけるのが難しい。アイアンの切れはよかったし、せめてショットだけでもきっちりできるようにと思って今日はプレーしていた。パッティングについては、来週の全米プロのグリーンでもう一度ストロークの練習をして、調整したい」
前週のサン・クロレラクラシックでの優勝をひっさげて臨んだ今大会。練習日には「優勝を意識してプレーしたい」と調子の良さと自信をのぞかせていましたが、試合が始まってみるとショットの調子はよかったものの、パットに苦しみました。よくタイガー・ウッズも口にしますが、グリーンの「スピード」との相性というものもあるのかもしれません。繊細なタッチを要求されるツアープロならではの、「微妙な悩み」というものもあるのでしょう。ショットのよさを活かしつつ、来週の全米プロではパットの復調に期待したいですね。
第3ラウンド終了後の夜、ファイヤストンC.C付近の練習場でブリヂストン主催の「バーベキューパーティ」が盛大に行われました。会場にはブリヂストン契約プレーヤーのマット・クーチャー、ブラント・スネデカー、池田勇太らもつめかけ、つかの間のリラックスタイムをブリヂストン関係者、お得意先の人々とともに過ごしていました。
そして池田勇太は練習場エリアで、選手の物マネも披露!ジャンボ尾崎、青木功、飯合肇……らさまざまな選手たちの特徴をとらえたスイングを披露し、周囲の爆笑を誘っていました。一流のプロはこういうことにも非常に器用ですね。
そして急遽レッスン会がスタート。アマチュアゴルファーの長年の勘違いを払拭してくれました。
遼くんが今大会で勝った場合、シード権はどうなるのか? 昨日レポートしたいくつかの大会に出場できる資格以外の、本格参戦に関わる詳細情報をお伝えします。
①優勝し、今シーズンのメンバーシップを取得しなかったとしても、この優勝で得られた3年シード権は、今後3年間の免除期間(2012年〜2014年) 中、各年の最終戦の最終日から30日以内にメンバーシップを取得することができる。つまり、これで優勝し、すぐにPGAツアーメンバーになると宣言しなくても、2012年から3年間の間の、いずれかの試合で賞金を獲得した大会の最終日から数えて30日以内であれば、ツアーメンバーになることができる。
②特別シード(昨年の賞金ランク150位の選手の賞金額563.729ドル(約4421万円)と同額以上の賞金を獲得した場合に与えられる) の条件を満たした場合、60日以内にメンバーになれば今シーズンの残りの試合で無制限にスポンサー推薦を受けることができる。
また、特別シード選手はフェデックスポイントは取得できないことになっており、もし今年のフェデックスカップ参戦を目指すのであれば、今大会に優勝し、直ちにメンバーシップを取得しなければいけない。今大会のポイントは得られないので、遼くんにとってフェデックスカップポイントを得られるチャンスは、次週の全米プロとウィンダム選手権の2試合しかないことになる。ちなみに、遼くんのここまでの米ツアーでの賞金額は247.636ドル(約1942万円)。特別シード権を獲得するには、あと316.093ドル(約2439万円)必要です。
③石川遼の今年の米ツアーでの賞金額が、今年の賞金ランク125位以上である場合、今年の最終戦の最終日から30日以内にメンバーになれば、2012年のツアーメンバーとして参戦できる。
というわけで、まずは今日の最終組での優勝争いに注目ですが、優勝した場合、その後彼はどの道を選択するのかも気になるところです。
2011.08.07
タイガー・ウッズ 「一進一退」
先日は「新しいスイングスピードとアイアンの距離感が合わない」と語っていたタイガーですが、3日目のラウンドでは「アイアンの調子は戻ってきた。手に感覚が出てくるようになった。全てのアイアンショットで正確な数字を打ち分けることが出来たし、よかった」とアイアンの復調をアピールしていました。しかし、今度はアドレスのセットアップや方向取りで悩んでいるそう。以前はもっとボールを曲げて打っていたタイガーですが、もはや最近はボールを曲げて打つようなことはしなくなったので、逆に自信を持って構えることができないのだそうです。そして今日はパットも入らず、結局2つスコアを落とし通算1オーバー、38位タイに。いろんなことが劇的に変わっている彼にとって、今は各所の調整を行っていかなければいけない時期。強いタイガーに会えるのは、まだ当分先の話かもしれませんね。
初日から首位を守り、第3ラウンドでは石川遼、ジェイソン・デイに1打差で再び単独首位に立った、米ツアー7勝のアダム・スコット。現在フェデックスカップランキング50位ですが、もし勝てば一気に16位に入りフェデックスカップ最終戦、ツアー選手権まで出場できることがほぼ確定します。「明日優勝するためにはいいプレーをしなきゃ。最後にチャンスが来たらそのチャンスをものにするだけ。そして自分のゲームは優勝争いするに十分な状態。ただ、気をつけなければいけないのは「リズム」。スイングリズムをよく、スムーズにできさえすればいい。特にプレッシャーもかかっていないし、ただ明日はいいプレーをするだけ」と明日の優勝争いをシンプルにとらえています。
さてさて……記者会見でアダムは2位タイにつけている2人の若手(19歳の石川遼、23歳のジェイソン・デイ)と比較され、年寄り扱いされていました。31歳で「OLD GUY」なんてちょっとかわいそうですよね〜。彼も「自分では年を取ったなんて思ってない。いまだに10代のように振る舞っていることもあるよ」と若さを強調していたのが少々滑稽でした。そして会見場ではとにかく石川遼を褒めまくり! 遼くんが15歳でツアー初優勝をした07年に、住友VISA太平洋マスターズ参戦のため来日したアダムでしたが、「この子は本当にすばらしい」と思ったそうです。そして「今週は遼にとって、すごく大きな1週間になる。たった19歳なのに、彼のゲームはどんどん改良され、とても円熟味のあるものとなっている。自分の19歳の頃よりももっとレベルが上だ。彼は正しい方向にむかって歩んでいる。もっと強くなり、いかにゲームをするかを習得できれば、間違いなく彼は世界のトップになれる」と語っていました。
明日は最終組でティーンエージャーとの対決。果たして優勝を飾るのは誰でしょうか……。
第3ラウンドで7オーバーの77を叩き、通算13オーバーの75位とまたまた低迷中の池田勇太(出場選手76人) 。本人の言葉を借りれば「パットの神様」が微笑んでくれず、「ここまで来ると、ホントに何を言っていいのかわからない。ノーバーディだから気持ちもヤキモキしてる。どうしたらいいかわからない」と心底パットに苦しんでいる様子。ドライバーショットも飛距離が出ており、アイアンも調子がいいだけに、あとはパットの神様さえ彼に味方してくれれば一気に浮上するチャンスもあるんですが……泣いても笑ってもあと1日。ここまできたら今までのパットの不調を吹っ切って、次週の全米プロにつながるいいプレーをして欲しいものです。
なお、同じブリヂストン契約プレーヤーのマット・クーチャーは「今日はパットの調子が特によかった。ショットも非常に安定していた」と言うとおり、65の好スコアをマークし通算5アンダーの14位タイ。ブラント・スネデカーは74を叩き、通算2アンダーの25位タイと後退。明日の契約スタッフたちの巻き返しにも注目したいですね。
ブリヂストンインビテーショナルもいよいよ明日1日を残すばかりとなりました。連日、30度以上の暑さが続くオハイオ州アクロンのファイヤストンC.C.ですが、気温以上にHOTな試合展開に取材する日本人記者・カメラマンを始め、日本人ギャラリーは沸き返っています。
首位に3打差の10位タイからスタートした石川遼は、6バーディ、ノーボギーの本日のベストスコアタイ(64) で一気に2位タイに浮上。首位のアダム・スコットに1打差まで迫りました。
今週の遼くんはひと味違います。仮にショットが曲がっても、ナイスリカバリーでボギーを叩かず、パッティングも絶好調。今週の平均パット数は全出場者中、24パットで1位を記録しています(2位はリッキー・ファウラー)。そして本人が連日語っているように「アイアンの距離感」がピッタリで、練習場で打つようなリラックスしながら打つナイスショットが、コースでも打てているとのこと。ホールアウト後は全米ネットワークTV局の取材などを一通り受けたあと、公式記者会見場へ直行。普段は遠巻きに我々日本人が遼くんの取材をしているところを見ているだけの米国記者たちも、2位タイに浮上した彼に対し、本気で話を聞きにきていました。それだけこちらでも注目度が高いと言うことなのでしょう。
プロ入り後、米ツアーに25試合出場してきた遼くんですが、54ホールを終えた段階で「2位タイ」は過去最高位。そしてもし明日優勝すれば、1911年全米オープンで優勝したジョニー・マクダーモットの持つ米ツアー史上最年少優勝記録(19歳10ヶ月14日)に次ぐ、2番目に若い米ツアーチャンピオン(19歳10ヶ月22日)が誕生します。何と100年ぶりの記録更新ーーーたった1週間だけの差で最年少記録が更新できないのは残念ですが、いずれにせよ世紀をまたぐ壮大な記録です。
そして優勝すると現在出場資格のある全米プロを含め、今年のHSBC選手権(11月開催)、来年度のヒュンダイトーナメント・オブ・チャンピオンズ、フマナチャレンジ、アーノルド・パーマー招待、マスターズ、ヘリテージクラシック、プレーヤーズ選手権、クラウンプラザ招待、メモリアルトーナメント、AT&Tナショナル、WGCブリヂストン招待に参戦できることが決定し、優勝して60日以内に米ツアーメンバーになることを宣言すれば、シード権を獲得することができるそうです。1999年、丸山茂樹がやはり今大会(当時NECインビテーショナル)で6位に入賞し、来季の米ツアーシード権を獲得しましたが、遼くんの場合も優勝しなかった場合でも上位に入賞すればシード権を獲得、あるいは準シード権を獲得することができるのです。
そして今年のオーストラリアで開催されるプレジデンツカップついてですが、現在インターナショナルチームのランキングで13位の遼くんが優勝すれば、トップ10入りを果たすので自動的にメンバー入りを果たすことができます。優勝金額約1億800万円も非常に魅力的ですが(全額、震災チャリティ義援金に充当)、以上のような海外試合への参加資格やシード権など、彼の人生を今後大きく変えるようなビッグチャンスが一気に到来するでしょう。明日の最終組は、首位のアダム・スコットと石川遼の2サムで、現地東部時間で2時にティオフ。最初から最後まで目が離せませんね!
●石川遼のコメント
「ショットの内容はいいとは言いがたかった。でも11番以降はいいスイングができるようになり、ティショットのミスもうまくリカバリー出来たのでよかった。今日はラッキー!ちょっとうまくいきすぎだけど、大ケガもなくよかった。今日も練習場で打っている意識を持って、コースでもショットすることができた。リラックスしてスイングができた。優勝のことを考えるのは早いけど、今日はいいプレーができて驚いている。ショットが曲がり、林の中から打つことが多かったけど、リカバリーがうまく出来た時のアメリカ人ギャラリーの反応がエキサイティングで大好きなので、トラブルショットも嫌いではない。今まで海外試合にチャレンジしてきたが、メンタル面でのコントロールがうまくいかなかった。でも今年のマスターズで20位タイフィニッシュできた時から、アメリカでプレーするのが楽しくなった。今日も落ち着いてゴルフが出来ているし、ここまでは自分のいいところを100%近く出せている。失うものは何もないし、気持ちの面で迷ったら一度仕切り直しをして、気持ちの整理をつけてからショットに臨めるよう自分を抑えることができている。明日の1番ティで自分がどんなことを考えているか、我ながら楽しみだ」
2011.08.06
アイアンの距離感が合っている人、いない人
「アイアンの距離が伸びたり落ちたりすることがない。今週はすごく距離感が合っている」と語るのは石川遼。第2ラウンドを68で回り、通算5アンダーの10位タイに浮上しました。
一方「他の人たちがどうなのかわからないが、自分は距離の判断が難しかった。自分が思っているよりもボールが飛んでいる。今までに打ったことのないくらい飛距離が出ている」とアイアンの距離感に苦労しているのはタイガー・ウッズ。今日は1つスコアを落とし、通算1アンダーの36位タイと平凡な順位に終わっています。アイアンの距離感が出ている人と出ていない人・・・明暗がはっきり別れましたね。
さて石川遼ですが、今日はアイアンの距離感も安定し、精神的にも落ち着いてプレーできている様子。「メジャーの時はいいスタートを切りたいと、焦ってもがいてしまうこともあるけど、今週は焦りはない。けっこう集中してプレーできている。リカバリーがうまくいけばその分攻めていけるから、どんどんいい流れになる」と語っています。飛距離については、「これ以上クラブに頼らないで、体幹を鍛えたり、股関節回りの筋肉をつけたり、瞬発力を高めるなどのトレーニングを積んで自力で飛ばせるようになりたい」とキッパリ述べています。
ジャンボ尾崎の指導のもと、スイング改造中の遼くんですが、この週末はさらに上位を狙って欲しいものです。
第2ラウンドを72(2オーバー)で回り、通算6オーバーの72位タイと低迷中の池田勇太。今日もパットが思うように決まらず上位進出はなりませんでした。
「今日もパットだろうね。あまりグリーンは変わっていないし、ウェットで遅いのは昨日と一緒。ピンポジもそんなに難しいわけでもないのに……。パターが入るか入らないかで流れが変わってくると思う」
初日も「決して悪いパッティングをしているわけでもないし、読みが間違っているわけでもないが、紙一重で入らない」と語っていましたが、今日もまたファイヤストンのグリーンの神様にツキをもらえなかったようです。
「運も味方につけないといけない」
明日以降、勇太に運が味方してくれることを期待したいですね。
初日、前半ハーフを1イーグル、8バーディ、5ボギーと出入りの激しいゴルフを見せながら8アンダーで首位に立った22歳のリッキー・ファウラー。3番ホールのパー4ではティショットとセカンドショットを完璧に決め、110ヤードの3打目をウェッジでピン目がけて打つと、その打球はカップの中に消えていきました。このホールでのイーグルは、1983年以来28年ぶりの2人目のイーグルなんだそうです。ということは、リッキーの生まれる前の話ですね。
さて、今年の9月でプロ入り2年目を迎える彼ですが、アマチュア時代は数々の大会で優勝をおさめ、07~08年にはアマチュアランキンクで1位に君臨していた実力派。09年にプロ転向した直後のPGAツアー「ジャスティン・ティンバーレークシュライナーズホスピタル」では7位タイ、続く「フライズドットコムオープン」ではトロイ・マテソン、ジェイミー・ラブマークとプレーオフの末破れて2位に入賞するなどセンセーショナルなデビューを果たし、初優勝は時間の問題かと思われていましたが、これまでのところ未勝利に終わっています。
「ただ自分のゲームに集中するだけ。最近ずっと調子がいいし、優勝争いをする準備は出来ている。今はPGAツアーで優勝する課程を勉強しているところだけど、自分から勝ちを狙っていくことができる状態ではない。でも本当は自分をその状況に置いて優勝できるように追い込まなければならないんだ。でも今の自分はゲームに集中して、勝てる時が来たらそれがボクの優勝できる時なんだ」
先週は彼女アレクサンドラさんの父であり、チャンピオンズツアープレーヤーのオリン・ブラウンが「全米シニアオープン」でメジャー初優勝を果たしました。彼の優勝を見て「自分も優勝したい」と刺激を受けたのでしょうか?「3R(トリプルアール)」 と呼ばれるローリー・マキロイ(Rory)、石川遼(Ryo)、そしてリッキー・ファウラー(Rickie)というヤングガントリオで未勝利なのはリッキーだけ。リッキー、そろそろあなたも「GO TIME TO WIN」だと思うのですが……。
今回のレポートでは、普段はなかなかTVでは知ることの出来ないツアー会場の裏側をお見せしましょう。
華やかな米ツアーは、もちろん世界中から集まった一流選手の存在なくしては成り立ちませんが、スポンサーや数多くのボランティアたちなくしても、この興業は成り立たないのです。ボランティアの仕事は主に選手と一緒に歩いてスコアをつけたり(マーカー)、スコアがギャラリーにわかるように作られたボードを運んだり(キャリングボード) 、リーダーズボードの管理、ギャラリー整理、フォアキャディ、ドリンク補給係……などなど数々の仕事がありますが、1日約650人の人が働いています。
そして恐らく日本のトーナメントのボランティアと違うのは、自分で75ドルを払ってボランティアのユニフォームや帽子などを購入する点。日本では「ボランティア」というと無償で働き、逆にノベルティグッズなどがもらえるトーナメントもありますが、アメリカのボランティアは自分でお金を払ってトーナメントに積極的に参加するのです。今週の場合はほとんどが大会開催州のオハイオからのボランティアが多いですが、メジャーになると全米中から集まってくることもあります。
では早速、ギャラリーたちのエントランスゲートから……
2011.08.05
タイガーでも緊張!
初日を終え、2アンダーの18位タイにつけたタイガー・ウッズ。復帰第1戦目の第1ラウンド、しかもキャディは長年コンビを組んだベテラン、スティーブ・ウィリアムズではなく、子供の頃からの旧友ブライオン・ベル氏に依頼するという、「その場しのぎ」のような状態で試合に臨んだ彼ですが、それでも相性のいいファイヤストンでアンダーパーでまとめるあたり、さすがです。
ホールアウト後の会見で「1番ティに立った時に『帰ってきたなぁ』という感じがした。11〜12週だったかな、試合に出てなかったのは……マスターズ以来初めて、試合で18ホール回っただけに本当に懐かしかった」と久しぶりのトーナメントの雰囲気を味わうとともに「でも1番ティでは緊張した。02年から03年にかけて、あるいは08年から09年の冬にヒザの手術をしたときにかなり長期に渡って休んだが、その長期の休みから復帰した時のように緊張していた。1番ティのティショットは本当に緊張したよ」と米ツアーで通算71勝も挙げているタイガーでも緊張することがあるのか、とちょっとビックリしましたね。
































































